6月12日から24日までウィーンに滞在した。若い友人がウィーンの大学に留学しており、留学中に遊びにこないかと誘われて、それで行った。6月19日(水)にウィーンからメルクという町に列車で行き、そこから、ディルンスタインと言う田舎町へ船で向かった。1時間30分のドナウクルーズだ。船着き場は崖の下にあり、移動式の桟橋をかけて乗客は下船する。天気は快晴で暑いくらいだ。船のなかで景色を見ながら飲んだビールの酔いが心地よい。
崖の下の道を少し歩くと左側に小さなトンネルがあった。そのトンネルを登り右側に曲がると「リチャード ローレンハルツ」があった。今日のホテルだ。
チェックインのあと散歩に出た。この町はヴァッハウ渓谷で最も美しい町と言いわれている。ワインの産地でもある。そのためか400mのハウプト通りにはワインバーが3,4軒あり、レストランを加えると10軒はある。夕方にはこれらの店に常連客が集まりワインを飲みながら話すのだ。こんなことを考えて歩いていたらこの町の名産の1つアプリコットジャムを売っている店があった。店員に聞いたらこの店の手作りジャムそうだ。試食したら甘くて美味しいジャムだった。自分はこのいやらしさのない甘さが気に入りいくつか購入した。
 
ワイン畑 ワインバー
店を出てさらに進むと右側にワイン畑があった。何人かのおばさんが日ざしをさえぎるために葉を摘む「除葉」と言う作業をしていた。「除葉」の作業はオーストリアも日本も同じなのだと妙に感心した。作業をしているおばさんに近寄って話かけた。言葉は通じなかったがアルバイトだと言っているらしかった。写真を撮ろうとスマホをおばさんに向けた。恥ずかしそうだった。
夕食はハウプト通りの「Schnitzer's seit 1988」というピザ屋にした。ピザを注文した。ピザの生地が独特な触感でうまかった。4種類の地元ヴァッハウワインがあった。それを1杯ずつ?んだ。いずれのワインも美味かった。店は家族で経営しているらしい。父親が窯でピザを焼き、息子が接客、母親が会計を分担していた。店の中には何かホットするような空気が流れていた。店は常連客のたまり場のようだった。なぜ常連客と分かったのかと言えば、店には大きな黒犬がいて、その黒犬が店に入ってきた客を見つけると大喜び飛びついたからだ。その犬が余りにもはしゃぎ動き回るので、店の息子はその犬を奥の指定場所に座らせて説教をした。すると、黒い犬は神妙な表情をみせ大人しくなった。
 
店を出てハウプト通りのワインバーをいくつか覗いてみたが、どの店も数人の客がワインを飲みながら語っていた。その風景は日本の田舎とは異なっているように感じた。
日本にも酒の蔵元が多いまちがある。しかしわずか400mほどの通りに4軒も居酒屋があるような田舎町は無い。まして、地元の常連客が集まりグラス片手に語り合う風景などを自分は見たこともない。
 
<この風景の違いは西洋人と日本人との人間性の違いだ>
と感じた。
 
翌日、朝、ハウプト通りを散歩した。近所の住民が朝食用のパンを買いにパン屋に来ていた。自分もそれを真似てパンを買った。その帰りに「Schnitzer's seit 1988」の前をとおったら、たまたま、店の前に居た息子が自分を見て「Guten Morgen」と挨拶してくれた。日本人の自分を覚えていたらしい。気持ちの良い一日が始まった。
 
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