昨年11月に友人たちとの「上諏訪5蔵元巡りと桜肉を食べる会」があった。その帰り道、勝沼の丸藤ワイナリーに寄った。ルバイヤートというワインを外のベランダで試飲していたら、仲間内でワインを樽ごとキープし、皆で楽しもうとのアイデアが生まれた。

<6月18日の土曜日、そのアイデアの実現可能性をワイナリーのオーナーに相談に行った>

9時に八王子駅に集合し若い友人の車で勝沼に向かった。総勢5人である。この友人たちは、国内では北海道十勝や九州高千穂峡に、海外ではベトナムのハロン湾、リオのカーニバルやニューヨークに行った仲間だ。

丸藤ワイナリー
 
11時過ぎに丸藤ワイナリーのオーナーのOさんと会いさっそく相談した。

―場所はワイナリーのベランダだー

ルバイヤートのブランドで知られた丸藤ワイナリーは、神楽坂ルバイヤートというビストロと関係しており、そのビストロでは山梨勝沼ワインを中心に、旬の各国ワインと優しいフレンチを出している。

Oさんと僕たちは、白、オレンジ、赤などのワインを試飲しながら話をしたが、オーナーの人柄なのか、相談は和気あいあいと進み、まずは、オーナーに6本のワインをセレクトしてもらい、その6本セットを僕たちが口コミで伝え、仲間を募ることになった。

さらに、
―何人かの仲間を集めたら皆の前でワインの話を語ってくれませんかー
と、頼んだら、

「稲田さん、それは良いですが、ワインを本当に知るならば、ワイン畑の草取りから始めなければなりません。今年は時期的に無理ですが・・・・秋に、甲州ブドウの仕込みがあるから、その時に仕込みを体験したらどうですか?」
との話になった。

僕たちはその企画に多いに賛同し、それを具体化するために、M君とK君が中心となり企画を立てることになった。

<この企画に興味のある読者は、稲田のアドレスに連絡いただければ参加可能かもしれません>

僕たちは相談が上手く進んだこと、また、試飲でかなり良い気持ちになり、オーナーにお礼を述べ、今回の2番目の目的である上諏訪の馬刺し&馬肉すき焼きを目指し中央ハイウェーを、一路、上諏訪に向かった。

<上諏訪の蕎麦屋八洲本店で、地元の蔵元本金の燗酒とふきの煮つけで一杯やりながら、蕎麦を手繰った>

その後、ホテルにチェックインし、国指定重要文化財で90年以上も前に建てられた公衆浴場片倉館に4時に集合した。この浴場は弱アルカリ性の温泉で、千人風呂と呼ばれ、浴槽は大理石で造られ、底には玉砂利が敷き詰められ、深さも1mはあり、立つと足の裏に心地良い刺激が感じられた。また、ステンドグラスや周囲には彫刻などの装飾が施され、一瞬、異国のような感じがする風呂だった。

   
公衆浴場片倉館  ミートたつみ 
 
その後、5時30分にホテルのロビーに集合し、今回のハイライトである「ミートたつみ」の桜肉三昧に突入した。

「ミートたつみ」は、シャッター商店街の路地にあるきわめてデープな店だ。僕たちは、生ビールで乾杯し、赤身と中トロ馬刺し(4人前)で始め、丸藤ワイナリーのオーナーがセレクトしてくれた2018年ルバイヤートルージュ樽貯蔵赤ワインでメインのすき焼き(9人前)を堪能し、若い友人たちはヒレカツも注文した。このヒレカツも衣と肉のバランスが良く旨かった。

MとYとKは締めの醤油ラーメンだ。僕もこのラーメンを一口お椀に分け食べたが、チャーシュウとスープとちぢれ麵が絶品で、久しぶりに、昔のラーメンの味が口と目の中に広がった。

<この店に、東京から、わざわざ「桜肉」を食べに来るのは、味が良く量が多い上に東京の桜肉のお店の半分以下の値段で桜肉を堪能できるからだ。全員、しこたま食べ・飲み満足してホテルに戻った>

翌日は、諏訪大社下社春宮の砥川沿いにある「万治の石仏」をみて、高台にある立石公園で諏訪湖を一望し、11時前には諏訪湖を後にした。午後になると中央高速が渋滞するので、その前に都内に戻るためだ。

この作戦は成功し、13時には八王子に戻り、八王子駅近くのピザ屋で、生ハム、カルパッチョ&ピザとワインで旅の安着会を華々しく開き、皆ほろ酔い気分で帰宅したのだった。
 
 
 
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