『夕焼け雲』 | ||||
大学を出て鳶職人の世界に飛び込んだ主人公正二郎。そんな正二郎が、母親の総子から失踪した幼馴染みの成江のことで相談をうけたのは成江が結婚した3年後の6月だった。総子は1通のはがきを正二郎に見せた。 その手紙には、 ― 母さんお元気ですか?私は、今、ある理由で家を出て東北のある街で暮らしています。元気ですので安心してください。問題が片付いたら東京の家にもどるので心配しないでください。 成江 ― とだけ書いてあった。 ・・・失踪した成江は、生きているのか、死んでいるのか? 正二郎の成江に対する不器用な思いを通し、今では失われつつある男の本当の優しさとは何なのかを、庶民の生活を交えながら語りかける。 |
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